絵本(”ぎんごー”という名のいちょうの木)

じつはな せなかの あたりがな かゆくて かゆくて たまらんのじゃよ 村長よ!

200ねんも 300ねんも すみつづけて いるが

それはもう かいてきな くらしだったのじゃがな?

木も だんだん おおきゅうなってな せなかが みえんのじゃ

さっそく 村長 から たのまれて きびまるとコナは いっしょに しらべにいくことに

なりました。

コナときびまるが、いちょう番地の“ぎんごー屋敷”についてあたりを見渡すと

相変わらず“ぎんごー”がおおいびきをかいて昼寝をしているせいで、鼻息が渦を巻いてイチョウの枯れ葉を舞い上がらせています。

「こんにちは お久しぶりです 今日は、友達のコナもつれてきました。」

「おーーう!」 地響きするような低い声で“ぎんごー”が目を覚ましてくれました。

さっそく、身軽なコナは木に登り、きびまるは大木の根のあたりをくるりとひと回り、二人で

声をそろえて言いました。

「キクイ虫だー」 

イチョウの木の “ぎんごー” のせなかや大木の根には 小さな あなが たくさん あいていました。

そのあなのなかには きくいむしが すみついて イチョウの木を ごはんに して たべていました これでは かゆいはずです このままだと “ ぎん

ごー ”は びょうきに なって しまいます。

そこで

きびまるの もってきた “木のくすり”を “ぎんごー”の せなかの あなや根の穴に いっぱい つめこみました

すると しばらくして “ぎんごー”が

「きえたー かゆみが消えたー おーーう」

 ありがとう やれやれ

ての とどかない ところの かゆみが きえたみたいじゃ。 おかげで まだまだ ながいきが できるのう

“ぎんごー”の はなさきに とまっていた ちょうちょも よろこんでいました。

コナと きびまるは おれいに りゅっく いっぱいの

イチョウの実の “ぎんなん”を もらいました。

“ ぎんごー ”さん こんどは あそびに くるね

“ぎんなん”を たくさん ありがとう。

「むらへ かえったら みんなで わけようね」   「うん」

「 またね 」